よしあしってことで

早期教育と脳 小西行郎 読みました
『これまで障害児は、例えば歩くことが難しいと言われる時期を過ぎても、社会に適応するために歩行訓練をさせられることが少なくありませんでした。幼児期から歩行訓練を続け、10年経っても歩けないのに、それでも「社会に出るため」に歩くことを強制させられてきたのです。もし一定時期を過ぎても歩行が困難なら、辛い思いをして自力歩行にこだわらず車椅子を使えばいい。そうすれば、彼らはもっと容易に社会に出られたかも知れません。ですから私は「△歳までならやれば出来る」という価値観だけでなく、「やってもできないボーダーライン」と向き合うことも、大事な教育観だと思うのです』
『十八世紀後半、イギリスにおいて展開した産業革命は、資本主義経済を本格的に確立しました。産業革命以前は、子供は貴重な労働力の担い手で、物心が付いた頃には工場で働かされていました。しかし将来、国が近代化をはかり、発展するためには、優秀な人材の育成が必要でした。そのため初等教育の重要性が高まり、これまで工場で働いていた子供達は学校に集められ一斉に勉強をするようになりました。このような学校の形態が、現代まで続いています』