世界不況下、夫が「主夫化」する理由とは?

稼ぐ妻・育てる夫 治部れんげ 読みました
『あなたが成功することを喜んでくれる、平等主義の男性と結婚しなさい。育児の半分を喜んでやってくれるようなプライドが高過ぎない男性を見つけるのが大事』
ノルウェーの人口は東京23区の半分しかない。これくらい人数が少なければ、税金を増やして子育てを社会全体ですることについて合意形成がしやすい』
『主婦が行う家事や育児という「仕事」がアメリカでは日本より低く評価されている』
『たとえやりがいがなくても、今日は休みたいと思っても、仕事を辞めずに続けるのが、家計責任を果たすということだ。自分が働いて家計責任を負うことは、大半の女性が避けたがる。結局、多くの男性は外で働いて家計を支えることを、女性は家庭内のことに責任を持つことを選び、性別役割分担は簡単にはなくならない。楽しい家事だけやる夫と、自己実現のためだけに働きたい妻は同じコインの裏表である』
『彼の希望通り、夫婦はほぼ同額の収入を得ている。妻のエリザベスさんは子供と過ごす時間をもう少し長く取りたいので時短勤務をしたがっている。しかし、トーマスさんは家計収入を減らしたくないのでそれに反対している』
アメリカで共働きが増えた理由はいくつかある。ポジティブな理由としては女性の社会進出が広がったこと、ネガティブな理由としては男性の経済的な地位が落ちたことである』
『実は、経済的に妻に依存しているアメリカ男性は、家事をしない傾向が強い。また、夫より稼得能力が高い妻は、夫の男としてのプライドを守ってやるために家事を多くやりがちである』
『保育園に対する不信感に加え、もうひとつ、アメリカ人をインタビューして驚いたことがある。それは政府に育児支援を期待しない人が多いことだ。例えば小学校教師のアニーさんは「公的なサービスは貧しい人向けのもの。だから使わなくてすむのは名誉なこと」と言い切る。』
『女性に「根性」や「やる気」が欠けた状態で育児支援を拡充しても、就業率や出生率は伸びない』
アメリカと比較した場合、日本に欠けているのは育児支援の「制度」ではなく、働く女性ひとりひとりの「意欲」である』
『統計的差別とは、個人が持って居る特徴から推測して判断することをいう。例えば、女性は結婚・出産で退職する人が多いため、企業が個々の女性従業員の能力や就業意欲を考慮せず、女性全体を補助労働に就かせたり、教育訓練などの投資を行わないことがある。これも統計的差別といえる』