肥満も出世も談合も、見事に解決!

こんなに使える経済学 大竹文雄 読みました
『たばこに対する増税によって節煙行動へ誘導できれば、喫煙者の健康状態を改善する以外にも、直接彼らの幸福度を向上させることが期待出来る。実際に、米マサチューセッツ工科大学のグルーバー博士らは、米国とカナダのたばこ売上税の増税がその後の喫煙者の幸福度を高めたことを統計的に明らかにした。』
『容姿の良い上位20%の教師と下位20%の賃金格差は5.83%もあり、この差は大学卒の学位による効果よりも大きい。』
『容姿の評価が中間の60%の教師と比較して、下位20%の教師は2.66%低い。だが、写真が無い容姿情報不明の教師は3・36%も低い。容姿の情報がないのは、容姿が良く無いことよりも大きな損失を生むのだ。写真の存在は容姿情報以外に、信用などの、心理的作用を与えているのかもしれない。にもかかわらず容姿評価を禁止すれば、企業は公募よりも容姿情報を得やすいコネ採用を生むという歪みが生じるかもしれない』
『生まれ月による学歴の存在はほぼ確実にいえる。』
『慶応幼稚舎は、生まれ月による有利・不利がないよう、生年月日順にグループに分けて、入学試験を行っているとしている』
『社会科学の入学志願者の割合は就職率とちょうど逆の動きを示していることが分る。就職率が悪化すると大学院の需要が高まる理由は、オプションとしての価値の増加と関係しているものと考えられる』
『かつては米国の労働市場でも男女差別が根強く存在し、一般のビジネスの世界では、女性は活躍できなかった。このため、学業に優れた大卒女性は、教職に就いた。つまり、学校は男女差別のおかげで、優秀な女性を安い賃金で雇用出来たのである。だが、男女差別が解消されてくると、優秀な女性は教師よりも給与が高い仕事、より魅力的な職種を選べるようになり、昔に比べて教師になる人は少なくなった。』
『地方では現在も、優秀な女性が働ける職場の絶対数が都市部に比べて不足しているために、男女間賃金格差が縮小しても、女性教員の質の低下が少なくて済んでいるのはでないだろうか。女性の雇用機会の改善が都市部でより急速に進んだことが、都市部の女性教員の質の低下を招き、教育の質の低下を深刻化させたと推測できる。』
『窃盗犯罪の発生率が10%上昇すると、住宅地の価格は1.7%下落する』
『人口転換が社会の高齢化につながり、人々が望む教育政策への支出割合が減少する』
『このままでは、教育への比重の低下がさらなる少子化を招き、それが公立校の競争力低下を招くという悪循環に陥り、経済発展を阻害しかねない。』