最初で最後の爆笑講演集 

米原万里の「愛の法則」 米原万里 読みました
『世界のベストセラーとなった物語、これは世界中の人々に民族を超えて、国を越えて愛されそして何世代にもわたって語り継がれて来たような物語です。こういう物語は決まって同じパターンを踏んでいるんです。それはどういうパターンかと言うと、主人公の男が多数の女を遍歴していく。女漁りをしていく。』
『女の幸せのパターンというのはお姫様という形に出てきますが、お姫様には沢山の選択肢があるというのが幸せなんですね。お姫様の婿選びのために、国中から若者たちを集めて技比べをさせます。その中でいちばん優秀な技比べの勝者とお姫さまが結婚するという物語が、圧倒的に多いのです。つまり、国中から男を集めて、若者を集めて、結局、1人を選びます。』
『オスが環境の激変のあったときにたくさん死んで、たくさん生まれるというとこはどういうことか。これがサンプル説の論拠なんですね。つまり、人類は種として生き延びなくてはいけない。生き延びるために適応できるタイプかどうか。適応できないタイプは死んでしまって遺伝形質を伝えられない。生き延びたタイプだけが遺伝形質を伝えられるということです。生き延びられるか、生き延びられないかを選び出すためのサンプルとして男がいるんです』
『だから。環境に適さない男は絶滅するか、女に選択されないという形で、次の世代に形質を伝えられなくなるわけです』