あたしはどうして満たされない?

依存姫 菜摘ひかる 読みました
『「それ預かっといて」
家の前で一冊の預金通帳を渡された。中身は真っ白、口座名義は彼の本名だった。
「俺の一番手になるっていったよな」
「うん、いった」
「厳しいときはおまえを頼ることにするから」
キャッシュカードと印鑑は彼が持っている。この通帳でもって小遣いを口座に振り込んでくれということだ。車の修理代と同じく、店を通さず百パーセント彼の自由になるお金。彼もナンバー1になったらしいし、車の維持にはとてもお金がかかるらしいし今後のこともある。なにかと必要なのだ。援助してくれと言われて断る理由がなかった。』