ジャーナリストはなぜ情報源の秘密を守れないのか?真っ赤なウソに引

秘密とウソと報道 日垣隆 読みました 740
『美人コンテストの審査員は、美人が務めているとは限らない。美人でなかったり、「元美人」だったり、男性であっても審査員は務まる。文学賞やノンフィクション賞の審査員は、同業者が務めるものだ。そもそも「こんなヤツは許せない」という私怨や嫉妬が混じりがちなのである。』
『安藤博さんは盗聴器を仕掛けたために会社をクビになってしまったが、機械を使わない盗聴であれば新聞記者は平気でやってきた。自分の五感を使う分には、人の話を盗み聞きしても会社をクビになることはない。「人間盗聴器」ならOKだが、機械の盗聴器を使うのはまかりならない。それだけのことだ。「私たちは正義である。国民の知る権利を代弁している」と言って見下す新聞記者がやっていることは、昔も今もたいして褒められたものではない』
『いわゆる詐欺師は、ウソをついた結果金品をもらえなくても全然かまわない。カネが目的ではなく、人を騙すことそれ自体が自己目的化してしまうのだ。自分の話を聞いた週刊誌の記者がウラ取りに奔走するなど、彼らにとっては最高のシチュエーションに違いない』
『予算と警察庁長官賞ほしさから彼を犯人にでっちあげた科警研の技官たち、また彼が犯人でないことをうすうす気づきながら起訴し、かつ死刑ないし無期懲役を求め、それに疑いを挟む能力をまったく持たなかった多数の裁判官。彼らには、菅谷さんに心からの謝罪をしてもらいたい。』
『損害保険会社の社員ならばよくご存知だと思うが、ホフマン方式、ライプニッツ方式といった逸失利益の計算式があるのだ。』
『週刊誌自らが一線を越え、書き得の捏造報道を続けてきたことによって、名誉毀損の賠償金は高額化したのだ。この状況は、メディア自らが招いたものとしか言いようがない』