2009年裁判員制度が始まる

誰も知らない「死刑」の裏側 近藤昭二 読みました
『死刑が絶対的に避けられるのは、犯行時に心神喪失・心身衰弱であったか18歳未満であったかである。』
『林被告に対して、罪の重さから言えば「死刑相当」というのは、判決を書いた裁判官も認めることろだった。しかし、検察は初めから「無期懲役」を休憩している。こうした結論がどこから出てきたのかといえば、まず第一に操作機関に発覚する前に地下鉄サリン事件を自白したことが「自首」にあたるとされたことが上げられる。自ら進んで事実を語り、戦後最大の組織犯罪の解明に協力、教団の解体や将来の犯罪防止に繋がったことが、極刑を回避させる理由となった』
『しかしそれにしても、「死刑」と「無期懲役」の落差は大きい。日本の無期懲役は決して終身刑ではなく、形式的には10年経つと仮出獄が可能となって実際には20年に満たないうちに社会に復帰してくる』
■罪種―死刑になる事件としては強盗殺人と単純殺人が中心的だが、身代金目的の誘拐が加わった場合は、同様の犯罪が繰り返されないようにという見地から、たいてい死刑となるといわれている
■動機―性的な目的や人間関係のもつれといった事件よりも、財産目的の場合の方が死刑になることが多い
■殺害方法―死刑になったケースでは銃殺が多く、刺殺がそれに次ぐ
『刑務官は教育者であり、悪に迷い込んだ人間を矯正して社会へ送り出すのが役目だ。そこに誇りと社会的責任を感じている。その教育者が、死刑を執行しなければならない。全く矛盾ではないか。悪人を善人にして死刑する。それが法律的に認められているものであっても、死刑が殺人であることにかわりない。
教育者という看板も誇りも汚れ、自らが殺人者となる。それも前非を悔い、われわれ以上に立派な人間に成長した者を、なぜ殺さねばならないか。執行に立ち会った職員は、誰もが良心の呵責を受けている』