リハビリメイク

顔ってなんだろう、本当のきれいってなんだろう かづきれいこ 読みました
『親に「見ちゃダメ!」と言われた子供は、自分と違う外観の人がいると、ちらと盗み見をしたり、ジーッと見て、目が合うとあわてて目をそらしたりする大人に成長します。こんな時、本当は事故や病気で外観が変わってしまうことがあること、でもそれは本人のせいではないし、その人の中身には何の関係もないのだということを、大人が自分の言葉で説明してやらなければなりません。そして、それが出来るためには、大人自身が、外観に関する「哲学」を持っていなければならないのです』
『いわゆるファッション雑誌に登場することもありますし、一方で、病院でメイクをしたり、学会で発表をしたり論文を書いたりもしています。テレビに出て若返りのメイクをすることもあれば、ボランティアで老人ホームに行って、おばあちゃまたちにメイクをさせていただくこともあります。「あなたは傷があるからリハビリメイク、あなたは傷が無いから普通のメイク」そんな風に区別されたら、傷のある人はどんな気持ちがするでしょうか。私が雑誌やテレビに出るのも、リハビリメイクの先生だからと言って地味にしていても、私にメイクを教わる人達は決して喜ばないからです。おしゃれで華やかなメイクとリハビリメイクの両方を、区別せずにやる。それが私の主義』
『「もとの生活に戻れるんだろうか・・・」と、社会復帰に対し不安に思っている患者さんにとって、同じ経験をした人が、職業を持って自立している姿を見ることは、大いに励まされることなのです。そして何よりも、自分の苦しみを克服して来た人は、今現在苦しんでいる人の心の中にスッと入っていくことが出来ます。多くの患者さんが、外観が理由で就職の機会を逃し、それが社会復帰の大きな障害となっています。そんな現実の中、克服してきた「痛み」をポジティブな方向で役立てることが出来るこの仕事に、私は大きな可能性を感じています』