ヤクザが公認になってしまっている国

ブラックマネー〜「20兆円闇経済」が日本を蝕む〜 須田慎一郎 読みました
『このMSCBとは、本来、業績が悪くて銀行から融資を受けられないような企業が、資金調達の最後の手段として発行するケースが多い転換社債なのだが、社債を引き受ける投資家にとっては、ほとんどノーリスクで利益をあげられるおいしい仕組みとなっているのが特徴だ。通常のCB(転換社債)では、発行時に一株あたりいくらで株式への転換が行われるか決まっているのに対して、MSCBでは、株価の下落に合わせて転換価格も下方修正されるため、転換できる株数は株価の下落に比例して増えることになる。そして、このMSCBを悪用すれば、次のような錬金術が可能となる。ある企業のMSCBを引き受けた投資家が、市場でその株を信用取引して値を下げる。そうすると転換社債が下がって取得株数が増え、さらに大掛かりな空売りが可能となる。株価が転換価格の下限となったところで、MSCBを株に換えて空売りした信用取引分を現物で返せば、投資家はその段階で株価の下落分だけ利益をあげることが出来る』