西澤センセの本みつけた

子供のトラウマ 西澤哲 読みました
『こうした見捨てられ不安の結果、子供は必死の思いで親にしがみつくことになる。これは、第三者からみればきわめてパラドキシカルが状況となる。子供は、叩かれて痛い思いをするにも拘わらず、いや 叩かれれば叩かれるほど、泣き叫びながら親にしがみついていく。』
虐待の4つのタイプ
身体的虐待→虐待の古典的タイプ
ネグレクト→一緒にいながら捨てられた状態
性的虐待→最も隠されやすい虐待
心理的虐待→最もみえにくい虐待
『虐待的人間関係の再現傾向は、子供に限ったことではない。トラウマが癒えていない場合には、その人の対人関係を特徴づけるパターンとして、大人になってからも継続することがある』
解離性障害には、自分が自分でないという慢性的な感覚にみまわれ、自分の身体から切り離されてしまったように感じる離人性障害、自分にとって重要な記憶を失ってしまう解離性健忘、家庭や職場から突然失踪し、過去の記憶をなくしてあらたな場所であらたな自分として生活するといった解離性遁走、そして自分の中に複数の人格もしくは人格と呼べるような状態が存在し、それらが交代して前面にあらわれるという解離性同一性障害に分類されている』
『虐待傾向のある親達とつきあっていると、彼らの自己評価の低さに気付くことがしばしばある。子供の頃の自分を否定的にみていたり、親子関係や両親の夫婦関係に問題をかかえていたり、あるいは自分自身の夫婦関係に葛藤を感じていたりなど、それまでの自分という存在を肯定できるないことが多いのである。そして、こうした親たちは、ある意味では「最後のチャンス」として「完璧な親」になろうとしているのはないかと思える』
『虐待傾向を示す親達は、、子供を子供としてみることができず、自分と対等な存在として、自分を困らせたり責めたりする悪意を持った存在として認知し、さらに自分自身を子供から被害を受けた「犠牲者」としてみているのだといえよう』
『子供の頃にしつけとしての暴力を経験した人は、大きくなって自分の子供との関係で何らかの問題を抱えた時、自分の親が身を持って教えてくれた方法、つまり暴力によって問題を解決するという方法に頼ることになる。こうして、しつけとしての暴力は世代を越えて伝えられて行くことになる』