開国的なコト

勝ち組が消した開国の真実 鈴木荘一 読みました
アメリカの外交官がイギリスの外交官に対し、イギリスのアヘン戦争と香港領有を批判して「貴国が侵略によって清国から奪った香港を清国に返還すべきだ」と迫ったのに対し、イギリスの外交官は、「その前に貴国がメキシコ侵略戦争で奪ったカリフォルニアをメキシコに返還すべきだ」と胸を張って応戦した。』
『積極論を主張して「名誉の先鋒」を指名されたその者は「有り難き幸せ」と先鋒の名を汚さぬよう文字通り粉骨砕身働き、徳川家は数百をあった小豪族の中から戦国の世を勝ち上がり、やがて天下を取ったのだ。だから徳川家の軍議は、もともと「情報公開と責任ある民主主義だった」と言えなくもない』
『今でもアメリカは「日米貿易収支の不均衡は天理に反する」という言い方で押してくる。ところが日本側から見ると「差し当たりアメリカから購入すべき品物は無い」ということになる。そして日米貿易交渉が紛糾すると、結局、最新鋭戦闘機や大型電算機等を購入する。こう考えると、林大学頭は随分辛い日米交渉を冷静に粘り強く実施したといえる。』
『私は彼らに「ミカドが承諾を拒んだらどうするのか」と訊ねた。彼らは断固たる態度で「幕府はミカドからの反対を受け付けない」と答えた。私は「儀式だけの為に条約を延期する必要がどこにあるのか」と問うた。彼らは「この厳粛な国事行為そのものに価値がある」と答えた。わたしは「ミカドに対して荘重に奏上し、ミカドの最終決定によってあらゆる物議がただちに治まる」と了解した』byハリス
『「かつて大坂の陣のとき、豊臣方がスペイン・ポルトガルの支援を受け、徳川方がオランダの支援を受けたりしたのは、よくない」ということである。「島原の乱の時、天草勢がスペイン・ポルトガルの支援を受け、徳川方がオランダの支援を受けたようなことは、今後はやめよう」というのである。「徳川家康がイギリス・オランダと組むなら伊達政宗は、家臣をスペインに派遣し、スペイン・ポルトガルと組んで、あわよくば徳川幕府を倒し伊達幕府を起こそうなだと考えることは、あってはならない」と言っているのである。そのためには「日本人の民心に中心を置くべきだ」』by会沢正志斎