海図を持たぬ航海

発達障害かもしれない 磯部潮 読みました
自閉症の人は、自分の意思で外界に対して心を閉ざしているわけではありませんし、心を開かないようにしているつもりもまったくありません。心を閉ざしているなどという考えは、私達が勝手に作り上げたものであり、彼らは彼らなりのやり方で世界と繋がっているのです』
『彼らは相手が不快になるということ自体が分りませんから、自分が感じたことをよくそのまま口にしてしまいます。一方私たちは相手の気持ちや感情がまったくわからないということが理解できません。』
ADHDの子供は、まるでブレーキの壊れた車がトップギアのまま走り回るようなもので、周りで見ていて本当に落ち着きが無いと感じられます。些細な刺激で集中が切れ、興奮し、話し続けます。じっと座って授業を受けることはとても無理で、当然のことながら成績は芳しくありません』
『いつも周りの人に「自分中心の考え方しかできない」とか「どういう育てられ方をするとそんな風になるんだ」とか悪口を言われて来たような気がする。別に自分では普通に過ごしているだけなのに、どうしてそんな風に言われるのか全然分らなかった。でも、それが自閉症という病気のせいだと中学二年生の時に先生に説明されて、その時はよくわからなかったけれど、その後で自閉症の本を読んで少しだけ理解できた。相手がどう考えているのかなんて思いもしなかったから、相手が僕のすることで嫌な思いをすることがあるなんて、ちょっとびっくりした』
『どうして他の子供達が、僕のプレーが自分勝手でチームプレーをまったくしないと言って責めるのかが分りませんでした。だってサッカーは点と取るスポーツだし、とにかく自分で点を入れればいいと思っていたからです』