グローバル思考という妄想

英語を学べばバカになる 薬師院仁志 読みました
『英語を国際共通語として定めた国際法や条約は存在しない』
『自由というのは、すべての者に選択の機会が平等に保障されてはじめて成り立つものである。たとえば、自動車を買うか買わないか、買うとしたらどの自動車を買うのかは、消費者の自由だというのが建前になっている、だが、現実にはそんな自由など実在しない。各人の経済力が選択の自由を無効にしているのである。実際、私にはベンツを選択する自由はない。これは、進学の自由、留学の自由、職業選択の自由、そして、言語選択の自由に関しても同じことだ。英語だけは義務教育段階から教え、英語だけに公用語としての特別の地位を与えることは、他の外国語を学習するという選択肢を閉ざすことにも等しいのである』
『なにも英語学習自体が絶対的に有害だと言っているのではない。問題は、そのために払う大きな犠牲である。英語に呪縛されるあまり、専門的な知識や技能を身につける機会お失い、外国と言えばアメリカしか見えなくなり、言語文化の多様性から取り残され、バカの一つ覚えのように英語を振りかざして周囲から疎まれるようになったというのでは、悲劇であろう』
『インドは世界屈指の英語大国かもしれないが、同時に、非識字大国であり、貧困国なのである。要するに、ごく一部のエリートだけが英語でうるおっているにすぎない』
『いつの間にか、そして当然の如く、「アメリカ」が「世界」にすりかわってしまっているのだ。だが、実際のアメリカは。世界全体に代替できるほど「長い物」ではない』