バフェット本人が協力した唯一の伝記

スノーボール(上) アリス・シュロイダー 読みました
『ウォーレンはどこにいても数のことばかり考えていた。教会にいるときもそうだった。説教は好きだったが、他の儀式には退屈した。讃美歌集に載っている作曲者の生年と没年から寿命を計算して時間を潰した。』
『ウォーレンが星を眺めたら、北斗七星がドル記号に見えたに違いない』
『騙された農場主たちは、朽ちかけた紙切れがその後かなりの値打ちを持つようになったことを知らなかった。ハワードは、何年も前からナショナル・アメリカンの経営者である弟のヘイデンを通じて、目立たないように彼らから株を安く買い戻していた。』
『ハワードは客の住所からもっとも離れた支店を住宅ローンの窓口にした。そうすれば、客は郵便で支払うしかなく、30分も子供の話をして社員の時間を無駄遣いすることもない。』
『すぐに飲み込めないような相手には、何年もかけて説明し、記録を見せ、あらゆることをすべてやってみても無駄だ。10年かけてそういうふうにやったら考えを改めたという人間には一度もお目にかかったことがない。いつだって、瞬時に理解するか、どうしても理解出来ないかのどちらかなんだ。』
『スタンプの代金は前もって支払われる。景品に交換されるまで日にちがある。その間、ブルーチップは未払い金を何年も活用出来る。バフェットがこの喉から手が出るほどほしくなる発想に出合ったのは、ガイコが最初だった。ナショナル・インデムニティを手に入れたかったのも、おなじ理由からだった。保険業者はまず保険料を受け取り、保険金はあとで支払う。つまり、着実に増え続ける「手持ち金」を投資にまわせる。投資能力に絶大な自信を持っているバフェットのような人間にとっては、ネコにマタタビみたいな事業だった。』