雇用再生へのシナリオ

たった1%の賃下げが99%を幸せにする 城繁幸 読みました
『好況時にはベアを持っていかれ、不況時に真っ先に切られる』
補助金という名の税金をしこたまつぎ込まれた国立大のエリート候補が、まずは外資系企業を志望し、そこに漏れた人間を日本企業が春先に採るという状況は、なんとかすべきだと思う』
『少なくとも現在、学歴だけでエリートコースを保証してくれる企業など、民間には存在しない』
『「上司より報酬の高いプレーヤー」の存在は、職務給カルチャーの企業では珍しくないが、これが日本企業にも浸透するはずだ』
アメリカのように、政権交代ごとに政府ポストが総入れ替えされる方式は、じつに合理的といえる。選挙によって選ばれた政党が、政策実現のために適任者を民間から引っ張り出し、主要ポストに据えるからだ』
『左派の口にする「小泉改革のせいで格差は拡大した」は根本的な誤りだ。派遣法を改正していなければ、よくてパートか期間工で雇われただけの話で、より大規模で柔軟な対応が必要とされる製造業については、おそらく雇用自体が海外へ流出したはずである』
社民党共産党といった自称労働者政党は、いい加減くだらない階級闘争史観を捨てて、現実を直視すべきだ。「労働者を守れ!」といって正社員だけを保護し続けていれば、いずれ社会は、本当の階級社会に逆戻りすることになる』
『戦後の財閥解体と資本主義の整備によって資本と経営は分離し、多くの企業において、経営者はただのサラリーマンとなった。こうなると、「労働者どもの賃金を削ってひと儲けしてやろう」という経営者は、少なくとも上場企業にはまずいない』
『どの球団も「非正規雇用選手」というようなものは使っていない。連合があくまで日本型雇用の死守を唱えるのなら、「終身雇用!横並び一律賃金!20年目で必ずコーチポスト提供!」の球団でも作って、ペナントレースで優勝でもするといい』
『既得権見直しのための議論はもちろん、年金制度を含めたセーフティネット再構築の議論が必要であり、消費税増税は不可避となる。オランダは「同一労働、同一賃金」の実現までに10年以上かかったが、日本も同じだけの時間が必要かもしれない』