ムカつくから、やっただけ

少年リンチ殺人 日垣隆 読みました 1600
『ここで注意したいのは、「僕が一人でやった」といった理由が、たとえ「友達をかばうため」であったとしても、しかし同時にそれは「自分のため」でもあった可能性についてである。すでに二度の逮捕と家裁送致を経験しているムラヤマ少年は、刑法と少年法だけでなく、実際の少年処分事情にも詳しい。集団リンチと、タイマンによる傷害とでは、明らかに前者のほうが処分は重くなる。取り調べ時の刑事や家裁調査官から受けた説明が、結果として彼に法律的知恵をつけてきた。』
『ところで一種の盲点なのだが、傷害致死や殺人などの少年事件でも、その裁きが公になる、つまり少年法によらず誰でも傍聴できる可能性が実は一つだけある。殺された被害者の遺族(親)が、加害少年本人を相手取って損害賠償の民事訴訟を起こした場合が、それだ。』