派遣切りの次は正社員切り!

貧困化するホワイトカラー 森岡孝二 読みました 760
『企業が正規に人員を増やす場合は、人件費として通常の賃金に加えて付加給付が必要になる。しかし、増えた仕事を残業でこなす場合には、付加給付のための追加支出は要らない。』
『今日では人々は、20代には派遣社員に登録するか、仕事がきつく昇進可能性が乏しい正社員のポストに就くかを選択することを迫られている。30代、40代には、会社のもっと働けという要求と、子どもや老親の世話をする必要との板挟みで苦労させられる。そしてさらに年をとると、これまで猛烈に働いてきたことが報われるどころか、在職期間が長く給与水準が高いために、失業させられる危険がいっそう高くなり、個人営業や非正規労働のほかには、ほとんど選択肢がないことを悟る。』
『問題は男性中心の働き方にある。求められているのは、男性のあまりに長い労働時間を短縮するとともに、女性のあまりに低いパートタイム賃金を引き上げ、正規雇用の拡大を図ることである。それなしには男性の家事労働への参加を促すことも、女性の職場進出とフルタイム就労を促すこともできないだろう。』