120%真実の私小説

芸人失格 松野大介 読みました 1500
『「君は、よくあんな待遇で耐えているね」と言われることがあった。そのたびに私は、「そうか、私の立場は辛いのか」と他人事のように思った。そう他人に、同情のように言われることに救いがあったのか・・・。とにかく私は、何かを憎むことのないように努め、仕事をこなしていった。』
『こちらは接待してやっているのに、難しいヤツだ、と思っているのだ。しかし、タレントはみんな接待されるのを本気で望んでいるのだろうか? そんなに他人に遊びの面倒を見てもらってうれしいのか。遊びたくない人と飲むのは気を遣うだけだし、まして「遊ばせてもらっている」のはロボットみたいな鉄の服を着せられたような不自由さを感じる。そういうこともこなして、接待してくれる相手をも楽しませるのが芸人なのか。私はその辺に納得できないものがあった。』
『最初、アナウンサーがとちると、珍しいから、悪い意味でウケることがあった。そのほうが目立つからわざと間違える女のアナウンサーがでてきて、いまはただ単にしゃべれない女もアナウンサーになっているようだ。無知な女は「バカ」と言われてしょげていたのに、いつのころからか突然「わかんな〜い」と開き直る時代がきた。』