被害者を支援するために、私たちは何をすべきか

被害者支援を創る 諸澤英道 読みました 440
アメリカの多くの州やドイツでは、憲法に、国家の保護義務を明記しており、国家が被害者支援に責任を負うのは、これらの保護義務が全うされなかったからであるとの考えが支配的となっています』
『マスコミ側は、被害者の個人情報を正確に報道するのが、マスコミの使命だと思い込んでいるようです。とんだ思いこみです。特に、写真は、本人または家族の了解なしに掲載することはできません。もし、了解なしに掲載すればプライバシー侵害であり、肖像権の侵害になります。注意して見ていますと、卒業アルバムなどから、勝手に複写して掲載したり、違法な報道が非常に多いように思われます。』
『被害者が証人として召喚を受けた場合に、正当な理由がなく出頭しませんと、過料や罰金を科されたり(刑訴法代150条、第151条)、勾引(強制的に出頭させられる)されることもあります(刑訴法代152条)。被害者には裁判に参加する権利があるといわれている現在、このような義務ばかりが掲げられている公訴法は、やはり欠陥品といわざるをえません。他方、押収・捜索・差し押さえの場合に、被害者の利害が絡むことがありますが、立ち会い権が保障されているわけではありません。』
『水戸被害者援助センターのある常磐大学では、被害者学の講座が充実しており、学部から大学院博士課程に至るまで、各種の被害者学講座が置かれています。さらに、常磐大学は、1998年以降、世界被害者学会主催の「アジア地域大学院大学被害者学および被害者援助論コース」を開催しています。』
『犯給法代八条には、「被害者又は遺族が損害賠償を受けたときは、その価額の限度において、犯罪被害者等給付金を支給しない」と定められています。数千万円の賠償金が支払われるという前提の規定でしょうが、現実には数百万円程度しか支払われていないのですから、その数百万円をもらっていれば、200万円の給付金は払わないというのは、あまりにも冷たい制度ではないでしょうか。第八条は、是非、削除してもらいたいものです。』