亜細亜的?

世襲議員のからくり 上杉隆 読みました
世襲でなくなった場合は足の引っ張り合いになる可能性があった』
『ところが、息子だとまとまる。日本の社会にはそういう雰囲気がある』
『後援会が政治家を選ぶ。すでに20年前、そうした究極の世襲ルールは、福田家において実施されていた。こうして、会社員なら総務部長止まりとも言われた福田康夫が、一国の首相を目指す道が開けたのだ』
自民党の現議員のおよそ40%(これでも大半が非世襲の「小泉チルドレン」によって前回衆院選後に比べ大幅に下がっている)が世襲議員であり、自民党あるいは政府幹部になるとその比率は高まる。他方、民主党世襲議員の比率は20%程度であり自民党よりも大分低い』
『どの国にも世襲議員は少なからず存在するものの、日本に迫るレベルなのはイタリアだけであり、たとえば、米国の全議員に占める世襲議員の比率は5%程度である』
世襲議員は、中選挙区制時代の名残で、今の小選挙区の外にも後援会が広がっている。堀内の場合、「若富士会」がそれだ。それに富士急トラベル富士急建設などが選挙区外にもある』
大選挙区になれば、その後援会組織が再びフル稼働を開始するかもしれない。一見、世襲とは無関係にみえる改革も、結局は世襲議員に有利に働くのは、驚くばかりだ』
『自らの子弟を大臣秘書官という要職に就ける議員は少なく無い。将来の世襲のために政治の勉強をさせてあげよう、という親心なのだろう。だが、その給料が国費から支給されていることなどはもちろんお構いなしだ、採用条件に、頭脳も経験も一切問われない。ただ一点、自らの血を享ける肉親でさえあればいい。そういう意味では安倍は文句なしに有資格者である』
『日本では、政治家による放送局への就職依頼はそれほど難しいものではない。とくに、放送免許の問題や放送法改正に触れることの出来る遁信族、総務委員、郵政・総務大臣経験者へのテレビ局側の気の遣いようは異常だ。「波取り記者」の存在が、その腰掛ぶりを象徴する。』
『実は政治家子女の就職陳情は、放送局にとては願ったり叶ったりの話なのだ。とくに放送行政に強い権限をもっている政治家ならば、それは尚更だ。喩えるならば、自社への政治家子女のコネ入社は、「人質を取る」ということである』
『一方で、政治家の側からみても、優良企業のテレビ局に子女を就職させることは、きわめて魅力的だ。自らの後継者育成という点に絞ってみても、バッジをつけた後のマスコミ対策において有利だと考えられている。さらに、記者やアナウンサーなどの出役になれば、本来のマスコミ人脈に加えてさらに顔を売ることが出来、選挙に有利だとも考えられている』
『自らを甘やかし、国民・国家を顧みないリーダーを戴いた日本は、なんと不幸な国だろうか。それは国際政治のプレイヤーからの脱落という意味で、すでに国益を損ねることになっている。その被害はもちろん最終的に国民にはねかえってくる』