心温まる永遠のドタバタ愛情物語。

母ひとり、娘ひとり 大沢あかね 読みました
『芸能界は厳しいこともつらいことも少なくない世界だけれど、学校よりはよっぽど楽しかった。学校はみんなに平等だけど、劇団では頑張ったぶんだけ褒めてもらえる。注目されるのが好きな私には、この世界は向いていたのだと思う。』
『<五万円以上お買い上げの方は、あかねちゃんとツーショット写真を撮影できます>そんな特典つきのイベントだったのだ。「ピチレモン」で私が身につけた衣装と同じものを、全身に着ている子も少なくなかった。「ありがとう。本当にどうもありがとう。また来てね!」 笑顔でその子たちと握手するものの、本当はこう言いたかった。「ごめんね、本当にごめんね、こんなにお金使わせちゃって!」でも、さすがに口にだしては言えない。私の顔を見て感激のあまり思わす泣き出してしまう女の子に、「あなたの家のほうが絶対にお金持ちなんだから」そんなことも言えるはずがない。みんなの夢を守り続けるのも、けっこう骨が折れた』
『「もっと肌のケアをちゃんとしてね。写真のニキビをコンピュータで消すのもお金かかるんだから』モデルを始めた当初、そんな風に私を突き放した大人たちが、一年もしないうちにこう言っていた。「あらニキビができちゃったね。いい病院紹介するから、大丈夫よ」手のひら返したように態度を変えた。』
『明日頑張るために、今日死ぬ寸前まで努力することならできるのだ。だけど、いつか来るだろう仕事のために、今からコツコツと自分を高めておくというのが、私にはどうも難しかったみたいだ』
『物心ついてから今日まで、友達みたいな親子関係を築くような余裕なんてなかった。ともに楽しむのではなく、ともに生きる関係だったから』