真に自由な生き方とは

他人と深く関わらずに生きるには 池田清彦 読みました
『人は本当にやりたいことはお金を払ってもする。逆にある行為にたいして、お金を払ってもらえるということは需要があるということだ。別言すれば、お金を払ってもしてもらいたい人がいるのだ。だから、お金になる労働は金にならない行動より、社会の役に立っていることは間違いない。ボランティアで老人ホームを慰問している人たちは、どこかのホールを借りて有料で演奏会をして義理以外で入場してくれる人がいるかどうか、一度考えてみたらいいと思う。ほとんどお客さんが来ないようであれば、今度老人ホームに行く時は、ただではなくて老人たちにお金を払って観て頂くようにしましょうね。ボランティアしないとどうしても生きていけない、という人は仕方ないとして、それ以外の人は、ボランティアはなるべくするのはやめようね。本当に他人に喜んでもらいたいと思っている人は、お金をもらって働こう。』
『相手の頼みを聞くのに無理をしているから、恩を売った気分になるのだろう。無理をしなければ、恩を売った気分にならないわけだから、仇で返された気分にもならないと思う。』
『どんな特定の人が死んでも、どんな特定の人に見捨てられても、自分の力で生きていけるような生活力を身につければ、人は矜持を持って生きていけると思う。それは、ある特定の人を尊敬したり、ある特定の人を生涯の師としようと決意することと矛盾しない。尊敬することは隷属することと違うし、自由は孤独の上にしか成立しないし、孤独は連帯と矛盾しない。』
『他人を当てにしないで生きるということは、社会と隔絶して生きるということでもないし、他人とコミュニケーションを持たずに生きるということでもない。自分の食いぶちは自分で稼ぎ、自分の人生は自分で決定する、というごく当たり前のことにすぎない。』
『親が自分のなし得なかった夢を子供に託す気持ちは判らないではないが、才能の半分位は遺伝するのだから、あなたもできなかったし、子供も興味を示さないことを、無理強いしても時間とお金のムダである。』
『人は、もはや逃げ場がないと悟った時に、進退きわまって自殺しかねない動物であるが、いざとなった時に逃げ場があると知っていると、逃げないで結構頑張れるものである。』
消費財を買ったお金を、すべて例外なく必要経費として認めれば良い。ただ、それだけであるからとても簡単だ。そのかわり消費税を20〜30%ぐらいにすればよい。とりあえず、3年くらいの時限立法にすれば、消費不況はあっと言う間に終わるに違いない』
『金持ちになるべく気持ち良くお金を使って頂くことが景気回復の道なのである。そのためには、お金を使えば使うほど、所得税は安くなりますよ、との甘言のひとつも必要なのだ。お金持ちがお金を使うのは、社会のためのノブレス・オブリージュ(高貴な人の義務)なのである。あなたは今貧乏で、金持ちクタバレと思っているかもしれないが、自給自足生活か狩猟採集民にならない限り、金持ちがクタバル前にアンタが咲きにクタバルのは確実なのだから、金持ちをおだてて、お金を使わせる政策に、賛成しようね。』