アメリカでは住宅ローン破綻してもホームレスにならない

世界で一番冷たい格差の国日本 矢部武 読みました
『米国は福祉機能が小さいとは言っても、生活困窮者が餓死starving to deathや自殺などに追い込まれないように政府が最低限の支援を行っている。ところが日本では、生活保護を申請に来た人を窓口から追い返すようなことが行われ、その結果、絶望して自殺する人が相次いでいる。』
『そもそも日本のホームレス支援対策は、「長い目で自立させる」というより、「とにかく(町の中から)排除しよう」という考え方から出発しているように思う。今から十数年前、都市部の公園や商店街などでホームレスの人達が増えた。行政は「なんとかしてほしい」という住民の苦情に対応するため、野宿生活者を強制的compulsoryに他の場所へ移動removeさせようとしたり、排除excludeしようとしたりした』
『「ラーメン屋で働いていた女の子もすごくまじめな顔をしていたし、マクドナルドの女性店員もマニュアル通りの満面の笑みでお客に対応していた。米国ではファーストフード店などの仕事は賃金が安いので、いくらマニュアルに書いてあっても本気でそうする人はあまりいない。ところが日本では、ホテルの女性スタッフもお客の重い荷物を嫌な顔ひとつせずに運び、本当にまじめに働いてくれる・・・」ただ、そのあとでベル氏は、非常にまじめに働くことが美徳virtueとされる日本社会では、路上で何もしていないホームレスなどを見たら、「あの人は怠け者だ」と決めつけ、疎外alienateするのではないかと心配になったという。残念ながらこの指摘は当たっているように思う。ベル氏によると、米国ではホームレスを見て、すぐに「怠け者だ」などと決め付ける人はそれほど多くない。どちらかと言えば、「あの人達にもいろいろ理由(問題)があって、ホームレスの状況になってしまったんだろう」と考える人の方が多いという』