現代文学の倶楽部活動しているので・・・

送り火 重松清 読みました
『国籍とかで差別されるのとは違うんだけど、ちょっとしたことでわかるの。「お母さんも早く再婚すればいいのに」とか「お父さんがいないから大変だよね」とか、そういうのも差別でしょ?いじめたり悪く言ったりしなくても、差別の意識ってあるのよ。向こうは同情しているつもりだから、一番タチが悪いよね』
『遊園地もずっと「無理」をしてきたのかも知れない。本当はちゃちな作り物なのに、「無理」して夢を見せて来た。夢を見せ続けるために、次々に新しい遊具を設置して、剥げた塗装を塗り直して、入場料金をときどき値上げして・・・ついに、もうこれ以上に「無理」が利かなくなって、閉演してしまったのだ』
『足を踏んだホウはすぐに忘れるの。でも、踏まれたほうは忘れないの』
『女性にマタニティブルーがあるように、ローンを背負ってマイホームをかまえた男性にも「大黒柱ブルー」とでも呼ぶものがあるのかもしれない』
『「一人暮らし」と「ひとりぼっち」っていうのは違うんだ、全然。帰る場所も行くあてもない人のことを「ひとりぼっち」って呼ぶんだよ』