この国の若者たち

 日本溶解論 三浦展 読みました
『日本では一般的にジェネレーションXが1970年代前半生まれ、Yが70年代後半生まれの世代を指し、団塊世代(狭義には1947〜49生まれ)の子供を多く含む世代である。それに対してジェネレーションZはX、Yより10〜15歳ほど若く、新人類世代の子供がかなり含まれている』
『勉強好きな女子は容姿に自信がある女子と同じくらい「女に生まれてよかった」と思えるのである』
『テレビに出てくる女子アナウンサー、ニュースキャスターはもちろん、政治家だって経営者だって、美人が多いという時代である。容姿がよい方が経済的にも社会的にも高い地位に就くチャンスが増える。フェミニスト達は長い間、女性を見かけだけで判断するなと主張し、男女の格差是正を叫んで来たが、女性の社会進出が進んだ結果、中身もあるし見かけもよい女性が高い地位に就くようになり、女性同士の格差は拡大したのである。しかも、男性社会であれば、男性の見かけはあまり重視されないのに、女性が社会進出したおかげで、人は見かけが9割、という風潮が昔よりも強まったように思う。ちょっと美人だというだけで、大した研究もしていない女性大学教授がマスコミでちやほやされ、政府や中央官庁の委員を歴任しているという事実をZ世代の女子は敏感に察知している。「私は結構美人だ」と思ったら、モデルよりも社長を目指す時代なのだ』
『老人ホームで介護するのも、風俗嬢になって男性の相手をするのも、人を世話する仕事という意味では同じである。テレホンアポインターになってクレーム処理するのも、キャバクラ嬢になって酔っ払いの繰り言を聞くのも、似たようなものである。同じような仕事であるなら収入の多い方に人は流れる。そして収入が多く、貯金ができた方が、最終的に自分の夢がかなえられる可能性も高い。現代の女子たちが容易に水商売に流れることには、そうした理由もあるのではないかと思われる』