読んで首肯するか、立腹するか!?

これが日本人だ! 王志強 読みました
『日本人は、成功すれば有頂天になり自らを上等な人種であると思うし、失敗すれば深く落ち込み下等な人種だと自虐的になるのだ。元駐在アメリカ大使ライシャワー氏が、「日本人は時計の振り子と同じ。優越感と劣等感という両極端に揺れ動き、落ち着いた心理状態を保つのが難しい」と述べたのも無理はない』
『集団の中では個人の意識をみんなと一致させ、できるだけ個性を出さないことが求められる。共同作業では、独自のスタイルを持たず周りの人間と緊密なチームワークをとっていく。こうして意見の不一致からくる同僚間の不平不満、足の引っ張り合いを軽減するのである。日本の企業では誰しもが機械のパーツのようであり、しかもほとんど消耗しないので効率は自ずと高まる。』
『日本社会における等級関係は極めて厳しく、上下関係がはっきりしていて誰もがその関係を越えようとはしない、ただここで重要なのは、日本人の等級観念が実用的であることだ。階級や身分は一時的なものに過ぎず、実力と権力が備われば部下は従うし力がなくなれば階級も身分も失うということを、彼らはよくわかっている』
『日本の集団は一致団結、盤石の固さを誇るかのように見えるが、その内部に深く入ってみると派閥の争いや個人間の軋轢が激しく、弱肉強食の世界であることがわかるはずである。こうした集団内における個人の悩みや不満は、他の民族の集団にはみられないものである。また、日本の集団の内輪もめは通常、外には広まらない。内部のゴタゴタも外から見れば「深淵の水」なのだ』
『日本人は集団において、イジメを利用しながら個性を発揮し鬱憤を晴らす。集団が損失を受けないという前提の下で、各人は個性を放つと同時に団結力を強め、集団主義の美徳を育み、集団への忠誠心を培うのである。こうしてみると日本のイジメは集団にあって潤滑油のような働きをしているといえなくもない。』
『日本人は自らの集団や組織の上司や目下の者とはよくつながり、タテの忠誠関係で結ばれている。この形は、集団や組織の境界線をつき破って、ヨコにつながって、全体社会の機能的に類似した役割を享受しようとする西洋人とはちがっている』
『日本は一つの民族集団としてオリジナルな思想体系や精神文明を持たず、また外部の思想体系や精神文明を完全に取り込むこともなかった。確かに儒学や仏教に影響は受けたけれども、それらは遂に「日本の精神」あるいは「日本の思想」に成り得なかった。代わりに日本人は「神のような」天皇の体制をつくった。神道天皇による制度をもって教義、思想や倫理、哲学に替え、それを日本の精神文明としたのだ』
『日本の教育制度においてひたすら精魂を込められるのは、集団主義の精神と組織への適応性、そして協調性を持った人間の育成である。』
『驚嘆するのは、自らの文化と相容れない他文化が混在しても、日本では殆ど何の矛盾も衝突も起こらない事だ。しかもそれらは円滑に結びつき、日本式の混合文化を創り出している。日本人はその特殊とも言える受容性(導入)と変容性(加工・改良)によって、本来持ち得なかったものを日本の独特なものにし、しかも効率よく用いて自らの発展を促したのだ。』
『日本人は漢字と仮名を用いて表意・表音文字としており、一目でその意味やイメージが解る言語思考と記号の記憶に頼る記号思考を持っている。』
『日本人は一般に忙しかろうがなかろうが、忙しそうな振りをする。上司に呼ばれれば「はい、はい」と返事しながら小走りに駆けつける。たとえ手元に仕事がなくとも忙しそうで、なかなか持ち場を離れない。ようするに、上司に対する意気込みや努力のアピールであると同時に、同僚達にも自分が皆と同様役に立つスタッフであることを伝えているのだ』
『能力があり仕事を速くこなせる事は、時として欠点にもなる。第一に仕事がなくなり、かえって暇そうに見えるから。第二に仕事が増えて、心身ともに疲れるから。第三に最も重要な点であるが、日本では「出る杭は打たれる」からである。』
『日本人はかつて外国の国土を大規模に侵略し、外国人を焼殺し、強姦し、略奪するという悪行を働いたのに、自らは侵略された事がない』
『日本人は神様のようなアメリカ人が日本人を論ずるのに、一喜一憂する』
『松竹梅は中国の詩文書画に「歳寒の三友」として最もよく見られる美のイメージであり、品行方正の優れた風格の代表とされている。日本人はそれを日本文化の美として学び、詩の吟詠や絵画の題材とした』
『中国を刺激しないために皇帝という称号を使わず、かつ暗に中国を威圧するために、皇帝よりもさらに大きなイメージを有す天皇という称号を使ったのではないか。その字面から見ても、明らかに「皇帝」よりも「天皇」の方が偉大な感がある。だが、こうした理解は漢字圏の人々に限られる。英語では天皇であれ皇帝であれ等しく「emperor」であり、「天」の効果は表れない。近代以降、欧米に対してアジアでの優位性を誇示してきた日本人には、さぞかし残念な事さろう。』
『秦の始皇帝に不老長寿の霊薬を探すように命ぜられた徐福は、三千人の童男童女を引き連れて巨大な船で東へと向かったが、その後二度と戻ることはなかったと言われている。もしかすれば、それが弥生人のルーツであるかもしれないのだ。』
鎖国体制をとった江戸時代に二百年以上もの太平の世が続いたことによって、それまでの舶来の大陸文化は日本式の文化へと変容していった。例えば、中国の水墨画の美意識と技巧を踏まえ、日本独自の浮世絵が生まれた。浮世絵の大家、葛飾北斎の作品は、フランスの印象派の画家達に大きな影響を与えた。』
『列強の威嚇の下ではあるが、日本の開国は平和的に行われた。その結果とその後の運命は、打ちのめされて領土を奪われ、主権を失った中国よりもずっと良かった』
『日本は絶えず発達した外来文明を受け入れてきた。要するに、なまじ中国のような「世界の中心」でなかったため、外来の力と文明を受け入れやすかったのであろう』
神武天皇即位は伝説であり、根拠とされる「日本書紀」にも二月十一日が即位日とは明記されていない。神武天皇の即位日は「辛酉年正月元日である」という「日本書紀」の記述に基づく。そこで中国の伝統暦法の「換算」により、紀元前六六0年辛酉年正月元日は酉暦の二月十一日であるとした。この日は、中国の旧正月であもある。こうして科学的根拠がないにも拘らず、二月十一日が日本と日本国民にとって最も重要な祝日となったのである。』
『日本がやっているのは緻密な戦争ではなく、イチがバチか天に任せる戦争だ』