現行制度の問題点と今後の展望

日本の中の外国人学校 月間イオ編集部 読みました
『キンダークラスではしゃぎまわる4歳の男の子に「将来の夢は?」と聞いた時、子供たちが置かれた実情を垣間見た気がした。返って来た答えは「(建築)現場」。「仮面ライダー」や「サッカー選手」といった答えを期待していただけに、言葉を失った。「夢」を追うよりも、まずは食べていくことが先決なのだという現実が、子供たちの中に植えつけられている気がした。』
『日本では学校の公益性を考慮し、寄付を集めやすくするための税制上の優遇制度があり、外国人学校にも認められているが、その適用においてはインターナショナルスクールや一部の学校だけ認められるという「二重基準」がまかり通っている。』
『「学校教育法に定める1条校ではない」という理由ですべての高校が入学を認めているわけではなく、特に国立高校を目指す生徒たちは、中学から日本学校へと転校せざるを得ない。多様なアイデンティティ教育を否定する文部科学省により民族教育の機会が奪われる現実がここにもある。仮に1条校になれば日本政府の検定を受けた教科書を用いなければならないので、民族教育の自由は制限されることになり、同校が目指す本来の姿を失うことになる。』
『日本の子供たちは整った環境で教育を受けています。でも隣には教育を受けられない外国人の子供も住んでいる。そういう状況にある外国人の子供たちに力を貸さなければいけないと思うのかどうか。力を貸さなければいけないと思える教育をしなければいけないと思います。』
『民族教育は、外国人学校民族学校だけでなく、当然公立学校でも行われるべきです。根本的に重要なことは、すべての子供たちが、一人ひとりが尊重されすべき大事な人格であると認められたうえで、自分自身の民族の言葉、歴史、文化を学ぶことです。しかし現実は、日本の公立学校でそういった民族教育が行われているところはほとんどありません。逆に、日本の現在の教育は、自分の民族とその民族に属する自分に対する根拠のない劣等感を毎日のように植えつけています。』